2025年10月3日
2025年9月1日より、EU(欧州連合)において、化粧品に配合できない成分として新たにTPO(トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)が指定されました。これにより、EUにおいては、TPO成分を含む化粧品の市場提供(販売・流通)が禁止されることとなりました。禁止の対象は販売・流通であり、個人が既に所有している製品を使うことまでは言及されておりません。
この報道を受けて不安を感じている方もいらっしゃると思います。
しかし、日本国内においてTPO成分は化粧品への配合の規制対象ではありません。
日本ネイリスト協会では、TPO成分に関する現時点での情報を皆さまにお伝えします。
Q1. TPO成分とは何ですか?
ジェルネイルを硬化させるための成分(光重合開始剤)として配合されています。LEDなどの専用ライトでジェルネイルを固める時に作用する成分の一種です。
Q2. なぜ話題になっているのですか?
EU(ヨーロッパ連合)では、2025年9月1日から TPO成分を含む化粧品の市場提供(販売・流通)が禁止されました。これは国際的な化学物質評価に基づき、生殖毒性の可能性があると分類されたことによるものです。EUの化粧品規制は「予防原則」に基づいており、実際のネイル利用で健康被害が確認されたわけではありません。
また、EUでも禁止の対象は販売・流通であり、個人所有の製品を使うことまでは言及されておりません。
Q3. 日本ではどうなのですか? ネイルサロンおよびネイリストはどうしたらよいのでしょうか?
現在、日本ではTPO成分は規制の対象には含まれておりません。アメリカ、カナダ、イギリス、韓国、中国、台湾なども日本と同様、規制の対象になっておりません。(2025年10月1日時点)
使用にあたっては、これまで通り、ジェルネイルの正しい使用方法を理解したうえで取り扱っていただきたいと思います。
参考資料「ジェルネイル製品を安全に正しく使用するために」
(2017年5月 日本ネイリスト協会発表)
JNAは、国際的な動向を注視しながら、お客さまに安心してネイルを楽しんでいただけるよう、最新の情報を収集し、必要に応じた対応を進めております。今後も、お客さまとネイリストの皆さまの健康と安全を第一に考え、安全で安心なネイルサービスの環境構築に努めてまいります。
NPO法人日本ネイリスト協会