コンプライアンス/法令遵守
第六回 ネイルサロンで実践する「リスクアセスメント」

「リスクアセスメント」がすべての事業者に義務付けられたと伺いました。ネイルサロンで「リスクアセスメント」を行うためにはどのような手順をふめばよいのでしょうか?
- A”リスクアセスメント”とは、化学物質などによる危険性・有害性のリスクを見積り、その結果に基づいたリスクの低減措置を検討する一連の流れを指しています。ネイルサロンで実際に「リスクアセスメント」実践のための3ステップをご紹介させていただきます。
STEP 1
ネイルサロンで頻繁に使用するネイル化粧品・ネイル材料にどのような化学物質が含まれているのか理解しましょう
ネイル材料の中には改正労働安全衛生法で「リスクアセスメント」義務の対象の663化学物質に指定された成分を含んでいるものもあります。
【エタノールを含むもの】 消毒用エタノール、消毒用エタノール(イソプロパノール混合)など
【アセトン類を含むもの】 ポリッシュリムーバー、アクリルリムーバー、ジェルリムーバーなど
【酢酸エチル・酢酸ブチルを含むもの】ノンアセトンポリッシュリムーバー、ネイルソルベント、プレプライマー
※ 2018年1月末時点で663物質指定。今後、物質が追加・削除される可能性もあります。
対象物質リストは厚生労働省職場のあんぜんサイトでかんたんに検索できます。
STEP 2
その化学物質にはどのような性質・リスクがあるのか把握しましょう

ネイリストが扱うネイル化粧品・ネイル材料の中には、沸点が低く、揮発性・引火性の高い成分を含んでいるもがあります。
【沸点例】
エタノール・・・ 78℃
アセトン・・・・・ 56℃
酢酸エチル・・・ 77℃
STEP 3
ネイル材料の適切な使用・管理を行っているか、リスク低減への対策が十分かを確認しましょう

使用してない時は
ふたを閉じる!
換気は十分に行っていますか?
※揮発したアセトンなどの蒸気は空気の2倍の重さがあり、床面に沈みやすい特性をもっています。
全体換気、エアコン、空気清浄機に加え、サーキュレーターなどを併用した効率的な換気を行いましょう。
使用していない時のポリッシュリムーバーなどのふたを閉めていますか?使用後は密栓していますか?

ふた付きの
ゴミ箱を使用する
揮発性溶剤を含んだコットンを捨てる際は、ビニール袋に入れて口をしばる、もしくはふた付きのゴミ箱に入れる習慣を徹底していますか?
スタッフへの教育・注意喚起を定期的に行っていますか?
※作業への「慣れ」は安全意識と向上における「落とし穴」となる場合があります。 短時間であっても繰り返し、教育することが大切です。